「モンテ・クリスト伯」に胸躍らせる
土曜日, 1月 8th, 2005昨年末から、「モンテ・クリスト伯」ずっぽりにハマっている。
きっかけは、テレビ朝日で放映されているアニメの「巌窟王」。テクスチャをスクリーントーンのように衣服に貼り付け、背景は3DCGを使うなど、斬新な試みがなされている作品だ。技術的にも見るべきところは多いし、ジャン・ジャック・バーネルによるサウンドトラックもすばらしい(気付くとエンディングテーマを口ずさんでいる!)。ゴージャスな映像で描かれた幻想的な未来のパリは一見の価値あり。キャラクターの時代がかった大仰な演技も美しい背景によく映える。
興味を持ったので、岩波文庫から出ている「モンテ・クリスト伯」を読み始めたのだが、これがまた面白い。訳が古いこともあって最初のうちはちょっと読みづらいが、ダンテスが牢に入れられる辺りから、気分は完全に19世紀。まだ途中だが、なぜこんな作品を今まで読まなかったかと後悔しきり。そういえば、小学生の頃、巌窟王を手に取ったことはあったのだが、「復讐」という文字が何となく恐ろしげで結局読まなかった記憶がある。
小説を読むと、アニメ「巌窟王」の舞台がはるかな未来であることも納得が行った。映像化する際、19世紀のままでは新しい視聴者を引きつけにくいだろうし、中途半端に舞台を現代にするとスケール感が出ない。莫大な富、華やかな貴族階級の暮らしを描くために、まったく異なる世界を選んだのだろう。今のところ、このコンセプトは成功しているように思う。