Archive for the ‘TV’ Category
木曜日, 1月 12th, 2006
International CESの基調講演はどれも興味深いものではあったのだが、正直にいえばデジャビュと違和感を感じずにはいられなかった。さまざまなメディアですでに報じられているように、マイクロソフト、ソニー、インテル、Yahoo!、そしてGoogleのすべてが、コンテンツ配信戦略について言及したのである(あと、超有名人を呼んでトークショー仕立てにした点も似ていたな)。
ネットとテレビの融合とかいろいろな意見はあると思うが、ユーザー側からちょっと引いて見てみると、テレビのチャンネルが増えたにすぎないともいえる。
少し前まで、パソコンというのはユーザーがさまざまなモノを生み出せるツールとして宣伝されることが多かった。それが今一番のセールスポイントはテレビが見られるということである。
知的ツールとして発達してきたパソコンの、究極の目標がテレビというのは何とも皮肉な話ではないだろうか。受動的に送られてくる番組を見るだけというスタイルのテレビ文化(ネットがすべて能動的・知的なものというわけでもないけど)。テレビ事業者というより、テレビ文化がネットも含めた娯楽を飲み込もうとしているような気持ち悪さを感じる。年末の紅白歌合戦のせいで、テレビにネガティブな印象を持ったまま渡米してしまったから特にそう感じるのかなあ……。
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水曜日, 12月 14th, 2005
ディスカバリーチャンネルHDの放送が今日から開始された。まだ番組のラインナップは少ないけれど、全番組がフルハイビジョンというのは予想以上にすばらしい。紀行番組やメカ、宇宙の番組なんかを見ているだけで1週間くらいあっという間に経ってしまいそう。ちょっと未来のテレビを先取りした気分だ。年末の忙しい時期に何というものを始めるのか。
ただ、私はJ:COM経由で視聴しており、現在のところトランスモジュレーション方式(CATV局が電波を変換して送信する)のため、ハイビジョンクオリティでそのまま録画できる機器はRec-POTくらいしか選択肢がない(デジタルチューナー付きの録画機器が使えない)。Rec-POTも悪くないのだが、ハードディスク容量が250GBまでというのはハイビジョン録画には物足りない(複数のRec-POTをデイジーチェーン接続はできるけど)。HDDレコーダ内蔵STBやパススルー対応を一刻も早く!
(2005年12月22日追記)
地上デジタルに関しては、すでにJ:COMもパススルーになっているらしい。デジタルチューナー搭載のレコーダーなら録画できるようだ。CSの番組に関しては、相変わらずセットトップボックスが必要になる模様。BSに関しては未確認。
それにしても、地上デジタルの視聴地域はどんどん広がっているから、ほかで見られないディスカバリーHDのようなチャンネルを増やしていかないとCATVはきついんだろうなあ。
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火曜日, 11月 29th, 2005
以前から注目しているリムーバブルHDD規格「iVDR」。デジタル放送録画にも対応した「Secure iVDR」のライセンスが開始されたそうで、来年こそは製品が登場してほしいもの(一昨年から同じことを言っているが)。今まではなかった3.5インチのSecure iVDRも規格化されたので、テレビ録画機能付きパソコンも作りやすくなるかもしれない。
それにしても気になるのは著作権管理の仕組みだ。ライセンス業務を担当するSAFIAのページにある資料を見てみると、Secure “move and delete” function
とどーんと書いてあって不安。D-VHSなどでムーブする場合、機器間での転送中にエラーが起こると番組データが消えてしまうこともあるわけだが、Secure iVDRではどうなるのだろう。あと、録画データをiPodなどの携帯ビデオプレイヤー用に変換して利用する(なおかつオリジナルのデータが消えない)仕組みは用意されているのだろうか。
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土曜日, 11月 5th, 2005
第2回「テレビとネットの近未来カンファレンス」に参加してきた。今回のテーマは「CMスキップとビデオポッドキャストがもたらすTVへの影響?」。メタキャストのテレビブログによってCMが貴重な情報として活用できる可能性が示唆され、広告代理店によるCM視聴行動分析ではHDDレコーダーがCMを見ないことには必ずしもつながらないことが示されるなど、興味深い内容であった。
しかし、一番面白かったのは、ネット側の人間とテレビ側の人間の話がまるで噛み合っていないこと。元々はメディアの特性に起因するのだろうが、それぞれの業界人がユーザーをどう捉えているのかがよくわかる。
ネット側の人間は、魅力的なビデオキャスティング(Vodcasting)のコンテンツが続々と登場していることを挙げて、映像視聴のあり方が根本的に変わるかもしれないと興奮する。そして、CMを検索できるようにすれば、新しいニーズを掘り出せるという。
テレビ側の人間は、モノを次々に買わせることで経済がなりたっているという冷徹な現実を指摘する(友人によれば、ネット側の人間を意識的に挑発していたのだろうとのこと)。ネット側の地に足についていない様子をテレビ側がたしなめているようにも見えた。
両者が想定するユーザー像と規模がまったく違うのだな。最近読んだ『しのびよるネオ階級社会』(林 信吾、平凡社新書)や『下流社会』(三浦 展、光文社新書)といった階級分化論が思い浮かんできた。
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月曜日, 10月 17th, 2005
アップルがビデオ再生機能付きiPodとビデオコンテンツの販売を開始した。アップルとしては確信犯的にユーザーサイドからの盛り上がりを刺激しようとしているのだろうな。
初代iPodの時は「Rip-Mix-Burn」というキャッチコピーで音楽CDからの取り込みを煽り、それがユーザーに熱狂的に受け入れられた。その結果、レコード会社とのパワーバランスも大きく変わり、iTunes Music Storeの成功につながっている。今回のiPod with VideoもQuickTime Proを使えば一般ユーザーが簡単にビデオデータを作成できる。QuickTime Proがなくとも、QuickTimeを利用したソフトからデータを書き出せばiTunesを経由してiPodへすぐに転送できる。数ヶ月以内にはほぼ間違いなく、iPod with Video対応のテレビ録画機器が各社から登場するはず。ビデオポッドキャスティングというのもそれなりに話題にはなるだろうが、映像を作るのはかなりの手間がかかる。影響が大きいのは、やはりテレビ録画だろう。それがムーブメントになれば、音楽で起こったのと同じようにビデオコンテンツを所有する会社とのパワーバランスが変わり、強い立場でコンテンツ配信ビジネスに乗り出せるという読みがあるのでは。
個人的にはiPod nanoにとても満足していることと、iPod with Videoにはリモコンがない点などが気になるので、すぐにはiPod with Videoを購入しないとは思う。しかし、Pocket DVD StudioがiPodに対応したら買っちゃうかも。出先でビデオなんか見ねえやと思っていたが、最近は新幹線や飛行機に乗る機会が増えてきて、あればあったで楽しいかなと。
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木曜日, 5月 26th, 2005
「NHK、「放送技術研究所一般公開 2005」を開催」(AV Watch)という記事で、走査線4,000本の超高精細映像システム・通称スーパーハイビジョンが紹介されている(詳細記事が追加された)。
家庭への伝送システムの試作・実験を2008年に、家庭への放送技術を2011年、実験放送を2015年、家庭用ディスプレイ・音響装置開発を2020年、本放送を2025年に行なうというもの。「あくまで目安だが、2025年は日本で放送が開始されて100周年にあたるので、新次元の放送として実現させたい」という。
配信方法としては、現在21GHz帯を使った衛星放送が有力
とのこと。
しかし、そんな高精細コンテンツを放送で流す必要があるのだろうか? 見たい人は映画館のような施設に行くとか、ネットで買うという方が現実的だと思うけど。放送という形態を否定するつもりはないが、スーパーハイビジョン放送にはさすがに疑問を感じるなあ。まあ、私の場合、不要と思っていたハイビジョン放送にはまったりしているから、あまり大きなこともいえないが。
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水曜日, 4月 27th, 2005
以前から個人的に注目しているiVDRが、デジタル放送録画対応になる模様(AV Watch)。
著作権保護機能にCPRMを採用しているDVD-RW/RAMなどと同様に、ムーブにも対応する予定。今後はオーディオやネット配信などのフレームワーク策定を進めるほか、日本からはやや遅れるものの、米国のデジタル放送についても米国連邦通信委員会(FCC)などへの申請を予定しているという。
iVDRの報告会では、各社のiVDR対応機(iVDRレコーダーも!)が参考出品されたそうだ。
HD DVDとBlu-rayの規格は統合されるんだか何だかよくわからない状態になっているし、コピーワンスのデジタル放送(特にハイビジョン放送)を録画・編集して手軽にムーブできる機器が今のところないから、iVDRには非常に期待している。もっとも、本来はコピーワンスのあり方について業界が根本からきちんと考え直すべきではあるんだけど。
最近忙しくて、せっかくハイビジョン番組をRec-POT Mで録画しても、けっきょく見ずに消去してしまうことの繰り返し。メディアに書き出して残しておきたい番組もけっこう多い。しかし、iVDR対応レコーダーが出たところで、VHSテープの代わりにiVDRカートリッジが溜まっていくだけのことかもしれないな。
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水曜日, 4月 20th, 2005
ITmediaに衝撃的な記事が掲載されている。今売られているハイビジョンテレビでは、HD DVDやBlu-rayの次世代DVDのソフトをハイビジョンクオリティで楽しめないかもしれないという。
現在策定中の著作権保護の仕組みでは、次世代DVDでのHD映像出力がHDMI端子のみという可能性があるらしい。何十万円も出して大型のハイビジョンテレビを買った人はどうなるのか……?
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火曜日, 2月 15th, 2005
J-COMが同軸で100メガ超を年内開始、FTTH対抗策も拡充(nikkeibp.jp)というニュース。「実効速度は170Mビット/秒程度。下り100Mビット/秒,上り70Mビット/秒というように割り振ってサービスを提供する」
ということで期待が高まるのだけど、さらに気になるのが次の記述だ。
J-COMはハード・ディスクにコンテンツを蓄積して視聴する,レコーダー装置内蔵の セットトップ・ボックスを「日米韓のメーカーに発注済」(森泉知行代表取締役社 長兼最高経営責任者)だという。
これは、インターネット接続サービスのVODコンテンツを蓄積するためのもの? それとも、地上デジタルやBSデジタルなども録画できるのだろうか。うーん、気になる!
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金曜日, 2月 4th, 2005
松下が双方向機能を強化したデジタル放送対応CATV用STBを発売するというニュース(AV Watch)。
VOD(ビデオオンデマンド)周りの機能が強化されているようだけど、気になるのがi.LINKは備えていない
という点。もし、CATV会社がこのSTBを採用すると、愛用しているRec-POT M(関連記事はこちら)で録画ができなくなっちゃうんだが……。心配だ。
CATV会社は独自にHDDレコーダーを提供するつもりなのかな。以前、答えたアンケートにそういう項目があったが。
(2005年2月6日追記)
あるいは、多くのCATV会社がトランスモジュレーション方式からパススルー方式に向かっているということなのかも。一般的なテレビ番組を録画する時はSTBを通さず、同軸ケーブルを直接録画機器に挿し、VODなどを見る時だけSTBを経由してくれということなのかな。
(2005年2月15日追記)
J-COM TV Digital【よくあるご質問】を見てみると、
地上デジタル対応テレビ又は対応チューナーをご購入された方々が、現在の地上アナログ放送と同様に新しいデジタルサービスに加入しなくても地上デジタル放送をご視聴いただけるような対応は、2005年末までをめどに開始させていただきます。
という記述がある。これは、今年末にパススルー方式を開始するということ?
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