サンフランシスコで開催されているアップルの開発者会議「WWDC 2004」において、Mac OS Xの次期バージョン「Mac OS X v10.4 Tiger」のプレビューが行われた。
次期Windows「Longhorn」のWinFS(新しいファイルシステム)を先取りするような検索機能「Spotlight」(実装方法はまったく違うと思うが)、RSSアグリゲーターの機能を備えた「Safari」、反復作業を自動化する「Automator」等、気になる機能が満載されている。
中でも気になったのが、「Dashboard」。これは、デスクトップに置ける便利なアクセサリソフト(Widget)を管理するもので、WidgetはJavaScriptで記述できて……むむ、どこかで聞いたような。これは、何度か取り上げた(この記事とかこの記事)「Konfabulator」にそっくりなのだ(Widgetという用語も)。
アップルがサードパーティの機能を取り入れるということは、かつてDA(デスクアクセサリ)の時にもあったらしいから(この頃のMacについて私はあまりよく知らない)、Dashboardもそうなのか? しかし、6月28日付けの開発者からのコメントを見ると、アップルから彼らに対して何の連絡もなかったらしい。また、機能や外観は非常に似ているが、KonfabulatorとDashboardのWidgetに互換性があるのかどうかも、これを読む限りではわからない。開発者のPerry Clarke氏は、Remember, Konfabulator is Whatever you want it to be, anything else is just a sincere imitation.
と述べており、かなり憤慨しているように思われるが……。
機能は似ていてWidgetに互換性がないのも問題だし(すでにKonfabulator用Widgetは何百種類と発表されている)、Widgetの互換性があるのにオリジナルの開発者との交渉がないのも大問題。アップルが今後どういう対応をしてくるのか注目していきたい。
そういや、KonfabulatorのWindows版を出すという話はどうなったのだろう。(→追記:4月時点での日誌によれば、Windows版を開発していたプログラマを入れ替えて最初から書き直しているようですな。)
(追記)
CNET Japanでもけっこう大きく取り上げられてますね。
(2004/07/12追記)
ITmedia PCUPdate「アップル、次期OS“Tiger”のプレビュー」ではDashboardのWidgetについて、
このWidgetはHTML+JavaScriptで書かれている(櫻場氏はXMLではなくHTMLと言った)ので、新しいものを作るのも(プログラマーには)簡単だ。
と書かれている。Widgetに互換性はないようだ。HTML+JavaScriptということからすると、DashboardのWidgetはWebページのようなもの(あるいはWebページそのもの?)なのだろう。そうであるならば、確かに作りやすいかもしれない。
また、「MozillaやOpera、Appleなどがスクリプト可能なプラグインAPIを共同開発へ」(INTERNET Watch)という記事によれば、
現在、Flash、Shockwave、QuickTime、Javaなどのプラグインが利用されているが、新たにスクリプト可能なプラグインAPIを使用することで、スクリプトを使ってプラグインを操作できるようになる。
とのこと。FlashやQuickTimeを使った、派手なWidgetも登場してくるのではないだろうか。