PDAの苦悩
日曜日, 6月 29th, 2003現在、PDAは非常に苦しい立場にいる(ガートナー ジャパン「PDAの満足度と購入動機に関する利用意識調査結果を発表」、ZDNN「PDA市場、新モデル急増も衰退の兆し?」)。携帯電話の高機能が進んでいるから、これと差別化するのも難しい。PDAのメリットを人に理解してもらうのは確かに大変だ。
私の場合、PIMの利用頻度が一番高いが、それ以外にもいろいろなソフトを使う。Excelで作った台割(書籍のページ割や制作進行状況などを書いた図)は、TinySheetで同期してPalmで持ち運ぶ。このおかげで、出先で印刷所やデザイナーからの問い合わせにもすぐに対応できたことが何度かあった。Bonsai Outlinerなら、ちょっと思い付いたアイデアもすぐ企画書に反映できる。曜日によって起きる時間が違うのだが、BigClockのおかげで、毎日目覚まし時計をセットする必要もない(笑)。しかし、同居人にメリットを説いても納得してもらえたことはないのだけど。これが多くの人の反応ではないだろうか。
PCや携帯電話とPDAを明確に差別化する道はいくつかあるだろうが、情報ビューアとPCサブデバイスとしての機能を徹底することが1つではないかと私は思う(ソニーのようなメーカーが率先してサービスを行うことが前提になるが)。
まず、情報ビューアとして。今でもXiino用にニュースコンテンツが販売されているが、それをもっと進めるわけだ。例えば、特定のジャンルのコンテンツを月額料金で好きなだけ利用できるようにする。キーワードを指定しておけば、それに関連したニュースを毎日自動的に集め、見やすいように整形(ニュース版コクーンだ)。関連した電子ブックの解説書や、audible.comのような音声コンテンツもある程度自由に利用できるようにする。そして、出がけにPCとPDAを同期して、通勤・通学の途中にでも視聴。携帯電話でこれだけのコンテンツをやり取りすれば、パケット代が大変なことになりそうだが、PCで落として同期すればそういうコストは不要だ。携帯よりも広い画面、使いやすいユーザーインターフェイスによって、英単語書き取りのような学習コンテンツも可能だろう。
もう1つの、PCサブデバイスとして。元々PDAはPC内のデータを手軽に持ち運べるように開発されてきたという側面がある。これを推し進めて、外からでも自宅やPCのデータにアクセスできるようにする。「KEY2SYNC on Air」サービスではインターネット経由でPIMデータの同期を可能にしているが、知子の情報HomeServerのように、PCに直接アクセスできればもっと活用範囲が広まる。あるいは、メーカーがPCと同期するストレージサービスを提供してもよいかもしれない。