映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』は期待以上の出来
日曜日, 9月 18th, 2005個人的には今年一番期待していた映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』がいつの間にか公開されていた。テレビでもほとんど広告を見かけないし、上映館は東京でも何と2館だけ。VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズに行ったのだが、まったく看板もなくて可哀想なくらいに冷遇されている。日本では知名度がないから仕方ないか。
もしかしたら寒い映画に仕上がっているかも……と不安を感じながら見始めたのだが、いやこれはかなり出来がいいですよ。「ハハハ」ではなく、「ククク」と腹筋に直接来るギャグの切れも小説通りにシャープ。主人公のアーサー・デントやトリリアンは想像していたイメージのまま。マービンはちょっと可愛すぎるかな。小説の方にはなかった「熟考帽」や、アーサーがトリリアンを助け出す手段にも笑わせてもらった(これほどヒーローらしくない救出劇はほかにない)。よくぞここまで小説のテイストを生かしたもんだと感心していたが、脚本は原作者のダグラス・アダムス(2001年5月没)自身が執筆していた。
モンティ・パイソン系のコメディが好きなら文句なしにおすすめ(そうでないと大はずれする可能性あり)。河出文庫から最近新訳で出た『銀河ヒッチハイク・ガイド』と『宇宙の果てのレストラン』を事前に読んでおくとさらに楽しめる。
ちなみに、映画では「Answer to life, the Universe and everything」(宇宙の森羅万象に対する答え)が大きなテーマになっているが、これをGoogleの電卓機能で調べると……(なぜそうなるのかは小説か映画を見てのお楽しみ)。『銀河ヒッチハイク・ガイド』が英米の文化やIT業界にいかに大きな影響を与えているかがよくわかる。
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