1月29日(木)、東京国際フォーラムで開催されている『人体の不思議展』に行ってきた。ここで展示されているのは、プラストミックという手法で作られた人体標本。本物の人体標本なのだが臭いもなく、じかに触れて観察できるというのが特長だ。昨年中に終了する予定だったが、好評だったため2004年2月1日(日)まで会期が延長された。私は昨年末の日曜日に一度出かけたのだけど、あまりの人混みにその時はあきらめた。
会場に着いたのは午後4時半くらいだったが、平日だというのにかなりの人で、入場券を買うまでに20分以上待たされた。入場券を買ったらすぐに会場内に入れるのだけど、会場内の混雑もすごい。客層も多彩で、いつの時代もみんなエロ・グロ・ナンセンスが好きなのだなあ(もちろん私も含めて)。医学部の学生もけっこう来ているようだ。脳の輪切りが収められたケースなどは大変な人だかりで、ゆっくり説明書きを読むこともできない。
ただし、展示されている内容はかなりのインパクトがある。神経が全身をどのように走っているのか、筋肉がどう付いているのか等々、必要に応じて内臓を取り除いてあったり、頭蓋骨をずらして脳内が見られるようになっていたり。CTスキャンのように、全身を輪切りにした展示もあった。肝硬変になった肝臓や、肺癌になった肺、死産の胎児がまるごと置かれていたりするから、人によっては気分が悪くなるかもしれない(見た限りではそんな人はいないようだったが)。それにしても、×××や××××は、こういう風に付いているのだなあ。はじめて知った。女性の多くも「これは学術的興味ですから」光線をまわりに発射しつつ、そういう標本を凝視していた。
跳躍したり、弓を引いている様子を再現した標本もあったが、さすがにここまでポーズを付けられたものを見ていると、冒涜とはいわないまでも、なんだか提供者に悪いような気がしてきてしまう。
出口近くには、実際に手で触れてもよい標本が置かれていた。手触りはプラスチックに似ている。臓器にも触れるようになっているが、乾いているから、そんなにグロテスクな感じはしない。
東京では何をやっても混んでしまうのが仕方がないにしても、もうちょっとゆっくり説明を読めるように工夫してほしかった。展示内容がすばらしいだけに、惜しい。
説明書きをゆっくり読めなかったので、売店でDVDを買った。DVD以外にも、詳細な解説書やDirectorで作られたCD-ROMもあったが(あとビデオテープ)、ボーっと流して見るにはDVDがよいかなと。家に帰って見てみたところ、映像や音声解説も丁寧に作られている。欲を言えば、テロップで解説を入れてほしかった。人体各部の名称を音声でいわれても、どういう漢字を書くのかわからない。
売店では、ドクロのボールペンや透明人体模型も売られていた。これらは別にいいんだが、「幸せを呼ぶパワーストーン」なんかもいっしょに売られていたのはいかがなものかと思った(しかし、買っていく人がいるんだよなあ……)。