Archive for the ‘ecology’ Category

シロアリとパンダで、一石二鳥の生ゴミ処理を実現

金曜日, 10月 30th, 2009
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パロディ版ノーベル賞と言われる「イグ・ノーベル賞」。2009年の生物学賞は、北里大学名誉教授の田口文章博士が受賞している。
おふざけ的な印象の強いイグノーベル賞だが、受賞研究自体はまじめなものも少なくない。田口博士が研究していたのは、パンダの糞やシロアリから分離した細菌を使い、水素発生と生ごみ処理の一石二鳥を狙ったシステムだ。どうやら「パンダの糞」というところが、選考委員の琴線に触れたらしい。
詳しい内容は、以下で。

シロアリとパンダで、一石二鳥の生ゴミ処理を実現 | WIRED VISION

太陽熱でビルを冷やす「ソーラー空調システム」の仕組み

土曜日, 10月 10th, 2009
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環境意識が高まって、太陽光発電はずいぶんメジャーになってきた。同じ太陽でも、日本ではちょっと目立たないのが太陽熱。実は、熱として利用するのであれば、太陽光発電よりもずっと変換効率がいいということはあまり知られていない。
太陽熱の利用法として給湯や暖房は誰もがすぐ思いつくと思うが、東京ガスが開発しているのは冷房。どうして太陽熱を使うと、部屋を冷やすことができるのだろう?
詳しくは、下記の記事で。

太陽熱でビルを冷やす「ソーラー空調システム」の仕組み | WIRED VISION

「マグネシウム文明」の矢部孝教授がTIME誌に登場

金曜日, 9月 25th, 2009
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7月、WIRED VISION「エコ技術者に訊く」というコーナーで、東京工業大学 矢部孝教授の研究を取り上げた。

・世界は、石油文明からマグネシウム文明へ
・『世界は、石油文明からマグネシウム文明へ』矢部教授の回答

矢部教授の研究というのは、海水からマグネシウムを取り出し、太陽光を変換したレーザー(!)で製錬。自動車や発電所の燃料として利用し(!!)、使い終わった後にできた酸化マグネシウムを再びレーザーで製錬(!!!)するという大胆なものだ。石油・石炭をマグネシウムに置き換えることで、二酸化炭素を排出しない循環社会を実現できるという。

このビジョンは海外でも注目を集めているらしい。TIME誌の特集「Heroes of the Environment 2009」では、教授が”Innovator”として取り上げられている。

微生物が田んぼを電池に変える

木曜日, 9月 10th, 2009
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microbial_fuelcell科学のあらゆる分野において、自然に負荷をかけない研究が盛んになっているのをひしひしと感じる。
東京大学の橋本研究室が行っている研究も、自然との共生を謳った研究である。田んぼの微生物を利用するというのは、牧歌的な研究に聞こえるが、中身はかなり尖っている。
田んぼの中には電流発生菌という微生物が多数生息している。この微生物自体は昔から知られていたが、実用的な電流を出すまでには至らなかった。ところが、微生物本来の生息環境に近いコミュニティを再現すると、格段に多い電流を発生することがわかってきたのだという。自然にはまだまだ知られていない、生物間の相互作用や化学反応が隠れているのだ。
詳しくは、以下の記事で。

微生物が田んぼを電池に変える | WIRED VISION

『世界は、石油文明からマグネシウム文明へ』矢部教授の回答

水曜日, 7月 15th, 2009
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WIRED VISIONに掲載した記事『世界は、石油文明からマグネシウム文明へ』には、驚くほどたくさんの反応が寄せられた。「これはすごい」から「何となくいかがわしい」という声まで、賛否両論。詳細に反論を載せたブログもあった。反論の中にはもっともらしいものも少なくない。むむ、どうなんだ!?
気になってしょうがないので、矢部教授に再度お話をお聞きした。詳しくは、以下の記事で。

『世界は、石油文明からマグネシウム文明へ』矢部教授の回答 | WIRED VISION

私自身は専門家でないのではっきりしたことはいえないが、マグネシウム循環社会が実現できるかは、太陽光励起レーザーでのマグネシウム精錬をいかに低コスト化できるかにかかっているのだろう。ただ、専門家であってもこれが実現できるかどうかは、明確に答えられないのではないかと思う。検証するためには同じ装置を作って実験を重ねるしかないわけで。
例えば、太陽電池での発電はエネルギー収支が合わないという意見も20年くらい前まではあったし、経済的に成り立つかどうかを判断するのは難しい。
まあ、仮に車や発電所の燃料に使えるほどマグネシウムが安くならなかったとしても、金属資源の精錬やリサイクルで大きな進歩があるのではないか。

あと、記事に寄せられた意見の中でちらほら見られたのが、「こういう話をするのは研究費を集めるためではないか」というもの。
それって、いけないことなんだろうか? じゃあ、研究者はどうやって研究に必要な資金を集めればよいのだろう?
もちろん、データのねつ造は論外。しかし、ビジョンを語らずして、誰が金を出すのか。お金は蛇口をひねれば出てくるわけではないのだ。

世界は、石油文明からマグネシウム文明へ

金曜日, 7月 3rd, 2009
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magnesium.jpg石油・石炭はなくなりそうだけど、自然エネルギーだけでは世界経済を支えられない。核融合はまだはるか彼方……。
しかし今、エネルギーや資源の問題を一挙に解決するかもしれない研究が進んでいるという。
海水に無尽蔵に含まれるマグネシウムを取り出し、エネルギー源として利用。生じた酸化マグネシウムは、レーザーを使ってマグネシウムに精錬する、という壮大な計画だ。
こう聞くと、「海水からどうやってマグネシウムを取り出すんだよ」とか「レーザーにすごいエネルギーが必要なんじゃないの」と思うはず。私もそう思った。
だから、計画を進めている東京工業大学の矢部孝教授に思いつく限り疑問をぶつけてみた。教授の説明を聞いての感想は、「これなら行けるかも……」
しかもすごいのは、「できたらいいね」というレベルの夢物語ではないところ。すでに教授自身がベンチャー企業を興し、事業化に乗り出しているのだという。今年中には宮古島に実験施設を建設、2025年頃にはマグネシウム循環社会を実現したいそうで、この人は世紀のマッドサイエンティストか、はたまた?

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

・世界は、石油文明からマグネシウム文明へ | WIRED VISION

カーボンナノチューブでできた世界で最も「黒い」物質

火曜日, 5月 19th, 2009
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cnt_blackbody.jpg科学分野で使われる用語に「黒体」(こくたい)がある。黒体というのは、あらゆる光を完全に吸収するという物体。ブラックホールは近似的に黒体と見なせる物体はあるが、現実には存在しない。
ところが、産総研は「カーボンナノチューブ黒体」を開発したのだという。
実際に見せてもらった「黒体」は名前の通り、とにかく黒い! ストロボを焚いてもまったく反射しない。しかも、赤外線から可視光、紫外線まであらゆる波長の光を99%も吸収するというのだから、驚きだ。このカーボンナノチューブ黒体、作ろうと思って作ったわけではなかったそうだ。
詳しくは、以下の記事で。

カーボンナノチューブでできた世界で最も「黒い」物質 | WIRED VISION

安価なナノチューブで二酸化炭素をしっかりキャッチ

日曜日, 3月 15th, 2009
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発電所などから大量に排出される二酸化炭素(CO?)。こうしたCO?を回収しようということはずいぶん前から言われてきたことだが、実際の動きは鈍い。大きな理由は、CO?の回収コストが排出権取引の相場よりもはるかに高いことにある。
こうした中、(独)産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門の鈴木正哉博士の開発した新材料は、CO?回収コストを大幅に低減させる可能性があるというので、詳しい話をお聞きした。
その新材料は、天然に存在するナノチューブ構造「イモゴライト」を安価に再現したもの。新材料を使った回収法のアイデアもさることながら、火山灰層土壌でなぜ作物が育ちにくいかを研究していくうちにイモゴライトが発見されたという経緯も興味深い。
詳しくは、下記の記事で。

安価なナノチューブで二酸化炭素をしっかりキャッチ | WIRED VISION

ジェットコースターが街中を走る?! 省エネ交通機関「エコライド」

金曜日, 1月 30th, 2009
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ecoride.jpg遊園地のジェットコースターは、物体の位置エネルギーを運動エネルギーに変換して移動している。要は、上に引っ張り上げては落とす、引っ張り上げては落とすという繰り返しなワケだ。
このジェットコースターを、公共交通機関に応用しようという何とも楽しげな研究が、東京大学生産技術研究所泉陽興業などによって進められている。車両側に動力が不要で、インフラ全体の消費エネルギーやコストを低く抑えられるらしい。
ということで、千葉実験所で実験している様子を見せていただいた。まだ実験段階なので車両などは簡易的なものだが、コスト面などけっこうスジのよさそうな研究だと感じた。近距離の足を低コストで提供できれば、コンパクトシティ化にも弾みが付くかもしれない。

詳しくは、下記の記事で。

ジェットコースターが街中を走る?! 省エネ交通機関「エコライド」 | WIRED VISION

それにしても、こういう交通機関の研究を成功させるには、技術面だけでなく、政治面での腕力も必要なんでしょうなあ……。

日本は、豊かな「都市鉱山」を擁する資源大国だ

月曜日, 12月 29th, 2008
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urban_mining.jpg高度な電子機器には金などの貴金属やレアメタルが欠かせず、日本はこうした金属資源の多くを海外に頼っている。「日本には資源がない」ことを私たちは当然のことだと受け止めてきた。
ところが、使用済みの電子機器からこれらの金属を取り出せたらどうなるか? 日本は、巨大な「都市鉱山」を持つ資源大国となりえるのだ。これまでも可能性としては語られてきた都市鉱山。たんなる可能性から実用化への道を開く手法を物質・材料研究機構 材料ラボ ラボ長の原田幸明博士が発表したことで、状況は大きく変化しつつある。
発想の転換で生まれたこの手法は実にシンプルだが、資源リサイクルの形を根本的に変えるかもしれない。
詳しくは、以下の記事で。

・「都市鉱山」に至る道が見えてきた | WIRED VISION