WIRED VISIONに掲載した記事『世界は、石油文明からマグネシウム文明へ』には、驚くほどたくさんの反応が寄せられた。「これはすごい」から「何となくいかがわしい」という声まで、賛否両論。詳細に反論を載せたブログもあった。反論の中にはもっともらしいものも少なくない。むむ、どうなんだ!?
気になってしょうがないので、矢部教授に再度お話をお聞きした。詳しくは、以下の記事で。
・『世界は、石油文明からマグネシウム文明へ』矢部教授の回答 | WIRED VISION
私自身は専門家でないのではっきりしたことはいえないが、マグネシウム循環社会が実現できるかは、太陽光励起レーザーでのマグネシウム精錬をいかに低コスト化できるかにかかっているのだろう。ただ、専門家であってもこれが実現できるかどうかは、明確に答えられないのではないかと思う。検証するためには同じ装置を作って実験を重ねるしかないわけで。
例えば、太陽電池での発電はエネルギー収支が合わないという意見も20年くらい前まではあったし、経済的に成り立つかどうかを判断するのは難しい。
まあ、仮に車や発電所の燃料に使えるほどマグネシウムが安くならなかったとしても、金属資源の精錬やリサイクルで大きな進歩があるのではないか。
あと、記事に寄せられた意見の中でちらほら見られたのが、「こういう話をするのは研究費を集めるためではないか」というもの。
それって、いけないことなんだろうか? じゃあ、研究者はどうやって研究に必要な資金を集めればよいのだろう?
もちろん、データのねつ造は論外。しかし、ビジョンを語らずして、誰が金を出すのか。お金は蛇口をひねれば出てくるわけではないのだ。