Archive for the ‘ecology’ Category

東京エレクトロンがWebマガジン「Telescope Magazine」をプレ創刊!

水曜日, 12月 21st, 2011
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半導体製造装置大手メーカーの東京エレクトロンが、Webマガジン「Telescope Magazine」のプレ創刊号を公開しました(創刊号正式公開は、2012年3月予定)。
Telescope Magazineのテーマは、「テクノロジーが生み出す未来社会」。
20世紀に始まった技術革新は、21世紀になっていよいよその速度を増し、人類はかつてない大きな変化に立ち会っています。

人間がタッチする情報はここ10年で500倍に増加しました。農業社会から工業社会、そして情報社会にシフトしてきた私たちの前に、新しい社会のパラダイムが現れようとしています。
それは生命からマシン、環境やエネルギーまで、全てがデータとして大きなネットワークの中で、ひとつながりのものとして捉えられる時代です。

このテーマの元、Telescope Magazineは「環境・エネルギー、バイオメディカル、マニュファクチュア、パブリック・社会、マン&マシン、宇宙開発」という六つの領域・カテゴリーで特集していきます。
そして、プレ創刊号のテーマは「スマートシティが切り開く未来社会」です。
今回私は、電力そのものをインターネットメールのように電力を目的地に送り、分散電源間で自由に電力を融通できる「デジタルグリッド」。そして、南米大陸アタカマ砂漠にある標高5600メートルの高山に赤外線望遠鏡を設置しようというプロジェクト「ソーラーTAO」について記事を書かせていただきました。

電力をインターネット化するデジタルグリッド

火曜日, 12月 20th, 2011
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電力網をめぐる議論が活発になってきている。
太陽光を始めとする自然再生可能エネルギーによる発電は、変動幅が大きく、電力会社の基幹電力網に流すことができない。そのために、スマートグリッドを導入して、需給バランスを調整しようという考え方が登場してきた。
スマートグリッドでは、スマートメーターでオフィスや家庭の電力を測定したり、家電を直接制御しようという議論が高まっているが、日本においてスマートグリッドをどう導入していくのかについては、まだ未知数の部分が大きい。

こうした状況の中、注目を集めているのが東京大学 阿部力也特任教授の提唱する「デジタルグリッド」である。
「セル」と呼ばれる小さなグリッド間で電力を融通し合い、電力の余っているところから足りないところへ、まるでメールを送るかのように送電する。セル間での融通を効率的に行うことで、系統電力網にも負担をかけず、莫大なインフラ投資も必要ないという。
そして、阿部特任教授はこのデジタルグリッドによって新しいエネルギー市場が成立すると語る。
詳しくは、下記のページで。

電力をインターネット化するデジタルグリッド | Telescope Magazine

太陽炉によるマグネシウム製錬実証実験を東北大学が開始

火曜日, 10月 25th, 2011
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4569775616『マグネシウム文明論』(矢部孝/山路達也、PHP新書)では、マグネシウムを「エネルギー通貨」とした循環社会を提言しています。東工大チームが進める研究は、海水からマグネシウム化合物を取りだし、太陽光励起レーザーで金属マグネシウムに製錬。金属マグネシウムを、自動車用の金属燃料電池や発電所の燃料として利用するものです。

10月19日には、東北大 小濱泰昭教授らのチームも、太陽熱を用いたマグネシウムの製錬実証実験を九州で開始しました。太陽光を凹面鏡で集光し、その熱で製錬を行うのが東工大チームとは異なります。また、東北大チームは、マグネシウム燃料電池の開発も進めているそうです。
研究チームを率いる東北大 小濱教授にお話をうかがいました。
詳しくは、下記のページをご覧ください。

太陽炉によるマグネシウム製錬実証実験を東北大学が開始 – The Magnesium Civilization

WIRED VISION「エコ技術研究者に訊く」のURLが変更になりました

水曜日, 9月 14th, 2011
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日本版WIRED.jpの開設に伴い、WIRED VISIONは終了しましたが、同サイト記事(の一部)はこちらにアーカイブされています。
私が連載していた「エコ技術研究者に訊く」もご覧いただけます。

・山路達也の「エコ技術研究者に訊く」

なお、同連載をベースに、大幅な加筆を行った『日本発!世界を変えるエコ技術』(書籍版iPhoneアプリ版)もポット出版より発売中です(目次はこちら)。

変換効率75%、量子ドットが実現する究極の太陽電池

火曜日, 7月 26th, 2011
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太陽電池の代名詞ともなっている、シリコン系太陽電池は理論的な変換効率が30%程度と言われている。ところが、「量子ドット」を使った太陽電池なら、理論的に75%以上の変換効率を低コストに実現できる可能性があるという。
「量子ドット」とはいったい何か? 夢の太陽電池にどこまで近づいたのか? 量子ドットの提唱者、東京大学 荒川泰彦教授にお聞きした。詳しくは、下記の記事で。

・変換効率75%、量子ドットが実現する究極の太陽電池 – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

世界のエネルギーインフラを変革する、超伝導直流送電

金曜日, 4月 22nd, 2011
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震災そして原発事故以降、エネルギーに対する世間の注目が急速に高まっている。脱原発を目指して、太陽光や風力などの再生可能エネルギーをもっと活用しようという意見がとても活発になってきた。

それと同時に、注目してもらいたいのは、電力網の再構築だ。
輪番停電ができてしまう(こんなことができる国はほかにない!)ことからもわかるように、日本の電力網の技術レベルはとても高い。ところが、国全体から見た場合、日本の電力網はおそろしく不合理だ。狭い国土であるにもかかわらず、いくつもの電力会社にわかれ、地域間で電力を融通することもままならない。日本全体で電力網を最適化する必要があるのだ。
日本全体で電力網を最適化する上で、重要なキーワードが「直流送電」。現在一般的な交流より、直流の方が長距離での送電ロスが少なくてすむ。
さらに、電気抵抗がゼロになる超伝導を使って送電を行う研究も進んでいる。これまでの超伝導送電は送電ケーブルの敷設コストが高く、短距離での導入も難しいとされてきた。
ところが、中部大学の山口作太郎教授らが研究している「超伝導直流送電」技術を用いることで、既存の送電ケーブル並みに敷設コストを抑え、さらに短距離でも送電ロスを大幅に減らせることがわかってきた。
山口教授によれば、超伝導直流送電によって世界規模の電力網を構築すれば、新規に建設する原発の数を減らせたり、自然再生可能エネルギーをより効率的に利用できるという。
詳しくは、下記の記事で。

・WirelessWire News:世界のエネルギーインフラを変革する、超伝導直流送電

超低消費電力を実現できるか? 「板バネ」ナノマシンコンピュータ

金曜日, 3月 25th, 2011
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現在のコンピュータ(のCPU)はトランジスタという半導体素子が集積されたものだ。トランジスタの集積度は年々上がっていくのだけど、あと10年もするとトランジスタは微細化の限界に達するのではないかと言われている。また、クラウド・コンピューティングが進んでいることで、データセンターが処理しないといけないデータ量も膨大になっていて、それにともなってエネルギー消費量も急増中。
そういうわけで、研究機関やメーカーは、トランジスタとは異なる原理の、高性能かつ低消費電力の新しい素子を開発するのに必死だ。中でも、NTT先端技術総合研究所の山口浩司博士が開発した素子はとりわけユニーク。なにせ、超微細な板バネを振動させて、演算を行うというのだ。
詳しくは、下記の記事で。

・超低消費電力を実現できるか? 「板バネ」ナノマシンコンピュータ | WIRED VISION

オーランチオキトリウムが、日本を産油国にする

金曜日, 2月 25th, 2011
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2010年12月に大きな話題を呼んだのが、オイルを作る藻「オーランチオキトリウム」。筑波大学大学院の渡邉信教授らの研究チームが、従来よりも10倍以上の効率でオイルを作る株を発見したというのだ。オーランチオキトリウムの作るオイルは炭化水素を主成分にしているので、そのまま軽油として利用できる可能性がある。
「光合成をしないのに藻類?」「エサが必要なら、コスト的に釣り合わないんじゃ?」等々、色々疑問が湧いてきたので、思い切って渡邉教授に疑問点をぶつけてみた。
インタビューでわかってきたのは、教授の目指しているのがたんなる補助的なバイオ燃料ではなく、世界のパワーバランスさえ変えてしまう新しいエネルギー循環ということだった。詳しくは下記の記事で。

・オーランチオキトリウムが、日本を産油国にする | WIRED VISION

臭いアンモニアから、明るい未来が見えてくる

金曜日, 1月 28th, 2011
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アンモニアと聞いてたいていの人が思い浮かべるのは、「臭い」ということかもしれない。しかし、実はアンモニアなしで私たちの社会は成り立たないというくらい重要な物質なのだ。アンモニアは窒素肥料の原料であり、数十億人に食料を供給できているのはアンモニアがあってこそ。世界のエネルギーの数%がアンモニアを作るために使われているという説もあるほどだ。

アンモニアを作るためには高温高圧が必要で、非常に多くのエネルギーを消費する。では、エネルギー消費の少ない常温常圧でアンモニアを合成できるようになるとどうなるか? なんと、アンモニアが石油代わりの燃料として使えてしまうのだ。
詳しくは、下記の記事で。

・臭いアンモニアから、明るい未来が見えてくる | WIRED VISION

電力消費なし、レアアースなしの、超高密度ハードディスクが実現できる?

金曜日, 12月 24th, 2010
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パソコンやビデオレコーダーに使われているハードディスクは、いわば小さな磁石の集まりだ。大ざっぱにいえば、磁石のN極、S極の向きで、データを記録している。磁石の向きを変えるためには、コイルに電流を流して磁場を作る必要がある。これは、ハードディスクに限らず、磁性体を使った記録媒体の常識だ。
ところが、千葉大学の山田豊和准教授らは、鉄ナノ磁石に電圧をかけると、磁石の向きを変えられることを発見したのである。
電力を消費せず、レアアースもなし、しかも超高密度という夢のようなハードディスクが実現できる可能性が出てきた。
詳しくは、下記の記事で。

電力消費なし、レアアースなしの、超高密度ハードディスクが実現できる? | WIRED VISION

ハードディスクではないが、本日半導体分野でも興味深い研究が相次いで発表された。

電力消費ほぼゼロのTVに道? 新原理のトランジスタ:日本経済新聞
100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行う新しいトランジスタを開発 – プレスリリース | NIMS

エネルギーハーベスティングの技術と合わさることで、面白いことになってきそうな気配がする。