Archive for the ‘book’ Category

アップル本の決定版『アップル・コンフィデンシャル2.5J』本日発売

木曜日, 4月 27th, 2006
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アップル・コンフィデンシャル2.5J(上)―世界一スタイリッシュでクレージーなコンピュータ企業の30年企業30年周期説なんてものがあったりするが、アップルほどドラマに満ちた30年を経た企業はほかに類を見ない。1976年4月に創設されたアップル(法人化されたのは1977年)は30年の間に、アップルII、Macintoshという革命的なパソコンを送り出し、DTPやグラフィックの市場を作り出し、創業者をほっぽり出し、ダメダメになって、そうしたら創業者が復帰して息を吹き返し、iPodを大ヒットさせ……etc。
このドラマチックなアップルの30年を余すところなく描いたのが、オーウェン・リンツメイヤー氏と林信行氏による『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上)(アスペクト刊、各巻税込2100円)だ。リンツメイヤー氏の原著『Apple Confidential 2.0』に、ITジャーナリスト林信行氏の書き下ろし原稿を大幅追加(全体の1/3が日本版オリジナル!)。iPodやMac OS X誕生の物語、日の目を見なかった最先端技術、流通や販売戦略の大改革など、長年のMacファンにも知られていないエピソードがたっぷり詰まっている。
『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上)、いよいよ本日発売です。

世界一スタイリッシュでクレージーなコンピュータ企業の30年

金曜日, 4月 14th, 2006
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アップル・コンフィデンシャル2.5J(上)―世界一スタイリッシュでクレージーなコンピュータ企業の30年私がMacにハマったのは2001年にiBookを買ってからだが、ここ数年だけを見ても、アップルを取り巻く状況の変化には驚かされる。Mac OS Xへの移行、iPodの大ヒット、インテルCPUへの移行等々……。
というわけで、『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上)(アスペクト刊、各巻税込2100円)である。Owen Linzmayer氏によるオリジナルの『Apple Confidential 2.0』は、アップルのインサイドストーリーの決定版として、米国でベストセラーとなった。ここには、アップルの創立と栄光、転落、そして復活までが見事に描かれている。2.5Jはただの翻訳ではなく、何と本文の1/3が、長年アップルについて取材してきたITジャーナリスト、林信行氏の新規書き起こしだ。オリジナルの2.0にはなかった、iPod・Mac OS X誕生の物語や、アップルの販売・流通戦略など、アップルの歴史書としてもビジネス書としても読み応えのある内容に仕上がっている。林氏による、他では読めない貴重なエピソード満載だ。個人的には、アップルの先端技術研究所(ATG)の研究についての章が気に入っている。いいものを作っているのにそれをいっこうに商品化できなかったのだ、以前のアップルは。そして、行き詰まっていたアップルがスティーブ・ジョブズの復帰と共に力を取り戻していく様子には、すばらしいカタルシスがある。
また、こういうビジネス書的な体裁の書籍としては珍しく、図版や年表、関係者の証言が豊富に盛り込まれていて、読んでいるとその時代の空気感が実によく伝わってくる。Macに興味がある人にとって、貴重な資料になるだろう。
ブックデザインを手がけたのは、装丁家の鈴木成一氏。Webページ上だとえらくシンプルに見えるのだが、実はMacにぴったりマッチするデザインになっていたりするのだ。これは実際に見てのお楽しみ。『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上)は4月27日、全国の書店で発売予定。

今年は496ページ! PCJapan用語辞典2006

日曜日, 3月 12th, 2006
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pcjapan200604.jpg毎年恒例となっている特大付録付きのPCJapan4月号が3月13日(月)に発売される。付録はもちろん『PCJapan用語辞典』。2006年版は、何と496ページ、見出し項目は2700以上、まさに暴力的な分厚さ(作り手にとって……)の辞典なのだ。パソコンのCPU、チップセット、周辺機器から、セキュリティ、ネットカルチャー、デジタル家電まで、ITの今を知るために必要な情報がぎっしり詰まっている。毎回のことだが、既存の項目についても大幅に改訂。すでに廃れてしまった規格、旬の技術、そうしたITを取り巻く「空気感」が伝わるように心がけたつもりだ。編集した私がいうのも何だが、これが付録について1080円というのはなかなかお買い得ではなかろうか。
pcjdic2006.jpgちなみに、2003年版からのページ数をグラフにしてみると以下のようになる。ちょっとずつ増加ペースがアップしているのだなあ(判型、ページあたりの文字数は同じ)。果たして来年はどこまで行くか!?pcjdic_graph2006.png

ストレス解消に裁断機とScanSnapを買う

金曜日, 2月 17th, 2006
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どうにも仕事が詰んでしまって、ストレス蓄積中。新型のScanSnap S500が発売されたので、衝動的に買ってしまう。ついでに裁断機のPK-513も。
今まではディスクカッターで裁断して、ブラザーの複合機MFC-5840CN読んde!!ココで読み込んでいた。ちょっとした分量ならいいのだけど、両面スキャンの場合は用紙をひっくり返さなければならないし、スキャン速度もそれほど速いわけではなくて。
PK-513なら雑誌1冊をスパッとバラせるし、あとはScanSnapに放り込んでおくだけでいいので本当に楽になった。これなら仕事の合間に書類整理もできるかも。PK-513でザクザク用紙を切っていくのはかなり気持ちいい。こういうことでストレス解消していていいのかという根本的な問題はさておき。
ただ、PK-513はびっくりするほど大きいのだなあ……。事前にサイズは調べたのだけど、ハンドルを下げた状態でロックできないからかなり場所を取る。業務用だから仕方ないんだけど。

クルクル巻けるディスプレイ

金曜日, 1月 13th, 2006
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Phillips_epaper.jpgInternational CESのPhillipsブースで展示されていた電子ペーパー(クリックでムービー再生。iPod用)。表示されていたのは、Windows Mobileの画面のようだ。巻き取って小さくできる和風PDAなんて製品も実現できるかもしれない。

ソニーの新電子ブック端末「Sony Reader」

金曜日, 1月 6th, 2006
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SonyReader.jpgラスベガスで開催中のInternational CESで展示されていたソニーの新型電子ブック端末「Sony Reader」。リブリエと同じ系列の製品だが、今のところと日本での発売予定はないという(後継モデルというわけでもない)。この端末は、リブリエとはDRMの方式が違っており、互換性がない(データフォーマットは同じBBeB)。リブリエがOpenMGを採用しているのに対し、Sony ReaderはMarllin DRMを採用。Marllin DRMは、ソニーのほか、フィリップスやサムソンなどが共同で開発した技術らしい。さらに、リブリエが「貸本」式なのに対し、Sony Reader用は期限に制限のないセル方式。
気のせいか、何かまたソニーが困ったことをやっちゃっているような……。今後日本のリブリエはどうなっていくのか。まあ、貸本方式のままでは絶対に電子ブックは普及しないと思うが。

アップルを怒らせた『iCon』の邦訳が発売される

日曜日, 11月 6th, 2005
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スティーブ・ジョブズ-偶像復活スティーブ・ジョブズの伝記『iCon』は、米国での発売前から話題を呼んでいた。アップル社は同書のタイトル変更を求めたが出版元は拒否。アップルは直営小売店の棚から版元の書籍をすべて引き上げたという(HotWired)。
この書籍の邦訳『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』東洋経済新報社から発売された。Mac関連の書籍を出しているところはいろいろしがらみがあったのかなあと思ったり思わなかったり。

日経バイトが年内休刊

火曜日, 11月 1st, 2005
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f/xによれば、日経BP社の「日経バイト」等が年内休刊とのこと。愛読していただけに非常にショックなニュースだ。
一時期はネットワーク専門誌を目指したりと編集方針が揺らいでいたが、最近は先端テクノロジーというテーマで読み応えがある記事を載せていたのに残念。『混沌の館にて』も読めなくなるなあ。
日経バイトには固定ファンも多いと思うのだけど、利益が上がっていなかった? より利益率の高い媒体にスタッフを振り向けるということか。
いいものを作ってればいいという作り手の傲慢が出版産業の衰退を招いた一因であるのは間違いないけど、こういう硬派で固定ファンのいる雑誌が消えていくというのはどうなんだろう。売れるだけではない、出版の意義というものもあるとは思っているのだけど。

脳についてのエキサイティングな仮説

日曜日, 9月 18th, 2005
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考える脳 考えるコンピュータージェフ・ホーキンスはPDA「Palm」の生みの親として知られているが、彼は脳の研究者としての側面も持っている。むしろ脳研究こそ一番のライフワークであり、Palmで稼いだ金で自分の研究所まで作ってしまった。愛・地球博(愛知万博)でパビリオンを待っている間に彼の『考える脳 考えるコンピューター』を読んだのだが、万博会場にいる間、一番知的興奮を味わえたのは実を言えばこの本だった(笑)。
ホーキンスは、従来のニューラルネットワークによるアプローチで人工知能を実現することはできないと断言し、「記憶による予測の枠組み」という理論を提唱する。大脳新皮質では感覚器から入力されたさまざまなパターンが普遍的な表現として記憶され、それを元に常に予測が行われている。これこそが知能の本質だという。大脳新皮質が世界をどう捉えているのか、そしてそれはどのように実現されているのか。私は研究者でも何でもないので理論の妥当性について判断できないが、このあたりの説明は今まで読んだどの解説書よりも平易で説得力があった。
注意しておきたいのは、彼が目指すのは喜怒哀楽を備えた「アンドロイド」ではないということ。大脳新皮質で行われている知能のプロセスを半導体で実現し、新しい産業を興すことが彼の目的なのである。
科学読み物としても一級品だが、いわゆる文系人間(こういう分け方は好きじゃないのだけど)にもいろいろと得るところの多い本ではないかと思う。例えば、大脳新皮質は階層構造をなしており、パターンを普遍化する過程も階層的に行われるというあたり、効率的な学習方法や人の行動を理解するヒントになるのでは。
よく「論理的な考え方」などといったりするが、この論理も大脳新皮質の構造に由来するのである。人間の知能の本質について考えることは、人工知能研究という特定の分野だけでなく、政治、経済、教育、歴史など、人間を対象としたあらゆる分野で大きな意味を持つだろう。

映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』は期待以上の出来

日曜日, 9月 18th, 2005
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銀河ヒッチハイク・ガイド個人的には今年一番期待していた映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』がいつの間にか公開されていた。テレビでもほとんど広告を見かけないし、上映館は東京でも何と2館だけ。VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズに行ったのだが、まったく看板もなくて可哀想なくらいに冷遇されている。日本では知名度がないから仕方ないか。
もしかしたら寒い映画に仕上がっているかも……と不安を感じながら見始めたのだが、いやこれはかなり出来がいいですよ。「ハハハ」ではなく、「ククク」と腹筋に直接来るギャグの切れも小説通りにシャープ。主人公のアーサー・デントやトリリアンは想像していたイメージのまま。マービンはちょっと可愛すぎるかな。小説の方にはなかった「熟考帽」や、アーサーがトリリアンを助け出す手段にも笑わせてもらった(これほどヒーローらしくない救出劇はほかにない)。よくぞここまで小説のテイストを生かしたもんだと感心していたが、脚本は原作者のダグラス・アダムス(2001年5月没)自身が執筆していた。
モンティ・パイソン系のコメディが好きなら文句なしにおすすめ(そうでないと大はずれする可能性あり)。河出文庫から最近新訳で出た『銀河ヒッチハイク・ガイド』『宇宙の果てのレストラン』を事前に読んでおくとさらに楽しめる。

ちなみに、映画では「Answer to life, the Universe and everything」(宇宙の森羅万象に対する答え)が大きなテーマになっているが、これをGoogleの電卓機能で調べると……(なぜそうなるのかは小説か映画を見てのお楽しみ)。『銀河ヒッチハイク・ガイド』が英米の文化やIT業界にいかに大きな影響を与えているかがよくわかる。

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