バーチャルなCGで、リアルなロボットをコントロール
11月 11th, 2007映像情報メディア学会主催の「高臨場感ディスプレイフォーラム2007」(11月8日)における発表より。
電気通信大学 稲見昌彦教授は、「実物体の存在感を援用するリアルメディア技術」というテーマで講演を行った。
デモの1つが、CGと玩具を連携させたゲーム。テーブルの上には玩具の戦車が置かれており、リモコンで自由にコントロールできる。天井に設置されたプロジェクタからテーブルにCGが投影されており、戦車に砲撃を命じると、レーザーによる派手なエフェクトが表示される。
また、ロボットを使ったレーシングゲームも紹介された(左の写真)。大きなディスプレイには、レーシングコースが表示されている。レースを行っている車は、円と矢印だけで表現されている。
円の上にロボットを置くと、コースに合わせて向きを変えたり、編隊を組み替えたりする。実は、このロボットには、円と矢印を認識する機能しか備わっていない。画面上の円や矢印を動かすことで、その通りにロボットを動かせるというわけだ。ちなみに、レーシングコースは大学院生がFlashを使って一晩で作ったものだという。
一般的に、ロボットを制御しようと思ったら非常に複雑なハードウェアやソフトウェアが必要になる。しかし、この手法ならば、ロボット工学の知識がない人でも、Webページを作る感覚で簡単にロボットを動かせる(もちろん、用途は限定されるが)。バーチャルな映像でリアルな物体を制御しようという発想の転換が実に興味深い。