それは傍線……なのか?

6月 20th, 2003
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あるQ&Aコーナーを担当している。「Wordで傍線(あるいは下線)と文字の間の距離を変えたい」という質問があったので、自分でいろいろと調べてみたがどうもやり方が見つからない。図形描画機能を使って、文字の下に線を引くことはできるが、これでは文字を修正するたびに線も引き直しになるから実用的とはいえないだろう。
私はOffice XP(しかもDeveloper Editionだ)の正規ユーザーなので、MSのサポートに電話を掛けて聞いてみることにした。Office単体製品なら2インシデント(2件の質問)、統合製品は4インシデントの「基本操作」に関する質問ができる。「ユーザー登録時から90日以内は無料サポート」というよりは、期限は決めないで質問件数という方がまだ良心的かもしれないが、Office XPにはWord、Excel、PowerPoint、Access、FrontPage等々が入っているのだから4件というのは少なくないか? しかも、なんで「インシデント」といのか。英語で言わないと本社から圧力を掛けられるのか。
ともあれ、MSのサポートに電話をかけたのだが……。

サポート担当者にユーザーIDと質問内容を伝える。調べるのに少し時間がかかるということで、電話をかけ直してもらう。それほど時間がかからず、電話が鳴った。
「お調べした結果をお知らせします。これで1インシデントの消費になります」と言われたので、「それはこちらが納得できない回答でも1インシデントなんですか?」。すると、「できないという回答ならばインシデントは消費されませんが、いちおう解決策であればインシデントは消費されます」という返事。どうしてもこちらのインシデントを消費させようとする。もしかして、この人達の給料はインシデントで支払われているのではないか。
そこで、「図形描画機能で線を描くという回答では納得できませんよ?」と答えると、「それならば、「できない」というのが回答になります」。やっぱり図形描画機能かよ!


Outlook(2000の頃だったかもしれない)についての質問でも似たようなことがあった。VBAマクロでメールを送信した場合、送信済みフォルダのメール本文がなぜだか表示されなくなるという症状が出たのだ(その後のバージョン(サービスパックだったかも)で修正された)。本当はVBAに関する質問は「高度な質問」扱いで有料になるのだが、たった1行のコマンドを実行すればいいことだし、ちょっとごねて確認してもらった。「その症状はこちらでも確認しました。(中略)1インシデントをお引きいたします」。バグ報告して、インシデントが使われるのか!さすがに頭に来たので、「こちらは高い金を払ってベータテスター代わりに使われて、さらにインシデントまで使われるか」等々、主張してインシデントはチャラにしてもらった(これでMSのブラックリストに載ったかも)。

MSの製品にはすばらしいものも多い(そうでないものも多いが)。エンカルタ総合大百科は楽しくて本当によくできた百科事典だし、Excelなしでは多くの作業がこなせない。Outlookには不満も多いが、毎日使っている。だが、このサポートの姿勢は何とかならないものか?
もしかすると、サポートを改善することで顧客満足度が増し、その結果独禁法に触れることをMSは恐れているのだろうか。

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