便利になった国会図書館
10月 11th, 2004仕事で必要な資料を探すため、久しぶりに国立国会図書館へ行った。以前に訪れたのは10年以上も前になるか。閉架式(閲覧にも申し込みが必要)の図書館であるため、閲覧のたびに申請書を書き、資料をコピーするためにも申請書を書き(自分でコピーすることはできない)、と大変に不便だった記憶がある。
今回は15年分の雑誌を調べる必要があり、恐ろしく時間がかかりそうだと身構えていたのだが、かなり便利になっていてちょっと驚いた。
図書館を入る時は、氏名や住所などを端末に入力し、館内利用カードを発行してもらう。端末にはけっこう人が並んでいて待たされるのだけど、関内で登録利用者カードを発行してもらえば、次回以降は端末にカードを入れてパスワードを入力するだけで館内利用カードが発行される。
関内には鞄などは持ち込めず、コインロッカーに荷物を預けることになる。筆記用具などは透明のビニール袋に入れて持ち込める。また、パソコンの利用もOKで、電子機器利用者用の関が用意されている。盗難防止のため鞄を持ち込めないというのはわかるのだけど、備え付けのビニール袋はすぐ破れそうで落ち着かない。
さて、館内に入ったら、さっそく資料閲覧の申込だ。館内利用カードを検索用端末に置いて、資料のタイトル、著者などを入力して検索。今の国会図書館は、このICカードですべての手続きを行うようになっている。該当する資料が表示されたら、申込ボタンを押す。資料の閲覧は一度につき3件までとなっている。もしかして雑誌も3冊ずつしか見られないのかと思っていたら、雑誌は1誌で1件とカウントされ、6冊まで借りられる。昔の号なら複数冊をまとめて製本されているから、一度に1年分くらいは閲覧できる。
それにしても、国会図書館収蔵の雑誌にも相当に抜けがある。出版社は雑誌・書籍を発行したら1部を国会図書館に納めることになっているのだけど、これは義務ではないようだ。
閲覧の申込をすませたら、電光掲示板に自分の館内利用カード番号が表示されるまで待つ。早ければ10分、遅いと30分以上かかることもある。
資料を受け取ったら、閲覧席へ。そうそう、パソコンを持って行くならケンジントンなどのセキュリティロックケーブルを持って行くと安心かもしれない。
今回はかなり資料の複写をしなければならないので、資料を調べる前に複写の用紙を取りに行く。複写の申込用紙も専用端末から出力するようになっているのだ。この端末に関内利用カードを置くと、現在閲覧している資料が一覧表示されるので、複写を取る資料を選択。用紙を印刷する。複写位置を指定するためのしおり(わら半紙の切れ端)の束をむんずとつかんで閲覧席へ戻る。
資料を見ながら、必要な位置にしおりを挟んでいく。同時に、複写申込書にページ番号を記入。終わったら、複写申込カウンターへ。後日来館か郵送で複写を受け取るなら、返却処理も行われるから次の資料を申込に行く。これの繰り返し。
A4・B4なら1枚25円、A3なら50円。けっこう高いが、自分で複写して時間がかかったり、バイトを雇うことを考えたら、まあ悪くはないのかもしれない。
ちなみに、複写する位置がわかっているのであれば、インターネット上からも複写の申込ができる(事前に登録利用者カードを発行してもらう必要あり)。
閲覧申込の資料が来るまで、ぼへーと待つしかないのはどうしようもない。目がピクピクするくらい疲れているのでちょうどいえばいいのだけど、iPodなどのオーディオプレイヤーを持ち込めないのはきつい。待っている間にできることといえば、外の景色を眺めるか、活字を読むことだけ。休息中くらい音楽を聞きたいけど、マナーを守らない人もいるからしょうがないんだろうな。
腹が減ってきたら、本館6階の食堂か、新館1階の喫茶室へ。食堂は、鰹のカルパッチョなどもあったりするが、まさに社食というか学食のよう。学生時代に戻ったような気分が味わえるのがうれしいようなそうでもないような。
後日受取の複写申込は午後6時半まで(即日受取は午後6時まで)。早朝からこの頃まで、資料を漁っているともうぐったりで、とぼとぼと家路につく……。
閲覧申込をしてから待たされるのがきついが、かなり使い勝手はよくなっている。利用者自身でコピーを取れないという制限も、資料の保護などを考えると仕方がないと思えるし。
改善の余地はまだあるが、紙の資料を扱うための施設としてはがんばっているとは思う。
また、図書資料のデジタル化も順次進めていくらしい。Googleを使う感覚で、昔の資料に当たれたら夢のようだ。
3月 5th, 2005 at 12:11
詳しいレポート、大変参考になります。過去の英字新聞を調べたいのでいつかは行ってみたいと思っていたのですが、お役所仕事なんだろうな?と考えていました。だいぶ利用しやすそうですね。
3月 5th, 2005 at 12:21
ただ、本文でも書いたように、音楽を聞いたりできないのがつらいですねえ。